旅人の詩





サラリスと巨鳥はピーナッツ畑が生い茂る地面に着陸すると、収穫に忙しそうな一人の農夫に声をかけた。





「すみませんが、この近くに城壁地区はありませんか?」





「んー」





農夫は小さく唸ると、城とは真逆、外壁の方を顎で指した。





「え?あんな方?」





「当たり前だ。国の特産を否定するようなよそ者の集まりが、国の中心部に住めるわけがないだろうが」





「……」





農夫はふんと鼻をならすと、サラリスに背を向けピーナッツの収穫を再開しだしてしまった。




< 57 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop