旅人の詩
サラリスと巨鳥はピーナッツ畑が生い茂る地面に着陸すると、収穫に忙しそうな一人の農夫に声をかけた。
「すみませんが、この近くに城壁地区はありませんか?」
「んー」
農夫は小さく唸ると、城とは真逆、外壁の方を顎で指した。
「え?あんな方?」
「当たり前だ。国の特産を否定するようなよそ者の集まりが、国の中心部に住めるわけがないだろうが」
「……」
農夫はふんと鼻をならすと、サラリスに背を向けピーナッツの収穫を再開しだしてしまった。