旅人の詩





「ここ、か」





ピーナッツを売っていた観光地の賑わいとはまた違い、遠くから喧騒と怒号、市場のガヤガヤする音の群れ。





そして混ざりあったにおい達。





それは、サラリスにとっての日常の光景だった。





「よし、じゃあ早速行くとしますかっ」





「ピッ」





頷き合った二人はついに、嫌われ者の町、城壁地区へと踏み込んだ。




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