初恋の君は俺様エース
知らないアイツ<嘩琳side>
空には、2羽の鳥が優雅に飛んでいる。
きっと空を飛んでる鳥たちは気持ちいいんだろうな。
静かで、自由で。
「ね、知ってる?」
「もしかして、バスケ!?」
「そう!行こっ?」
教室の中では、バスケがどーのこーのと騒がしい。
一体、バスケが何だって言うの?
「嘩琳ちゃん?」
「ん?」
楠本嘩琳。
これが私の名前。
「ねー、聞いた?今日、体育館でバスケの試合あるんだって!!」
キャピキャピと高く透き通った声で私に話しかけてきたのは、私の唯一の友達。
木野恋歌(きのれんか)。
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