初恋の君は俺様エース
「嘩琳ちゃん!一番前行こ?」
私の返事も聞かずに私を引いて、隙間から前に進んでいく。
「恋歌っ!!」
恋歌は小さいから通りやすいかもしれないけど、それなりに背がある私にとったら隙間を進んでいくのは難しい。
「ここなら見れる!」
ふふっと微笑んで、前をキラキラと見つめる恋歌。
見事、一番前まで来れて、今居るところはど真ん中。
特等席だ。
とびっきりの笑顔で瀧本を目で追ってる恋歌はとても女の子らしい。
その隣にいる私は何をするわけでもなく、だからといって他にすることもないから、じっと前で繰り広げられるバスケの試合を見ていた。