女装男子VS男装女子。
「……で、では他の意見も出ないようなので……神宮くんの意見に意義がない人はきょ、挙手をお願いします……」
眼鏡女子がそう言うと、
あたし以外の奴がみんな手を挙げた。
……あぁもう!
どうにでもなれっっ!!
こうしてあたしたちのクラスの出し物が決まった。
「天野く~ん!ちょっと来てくれる~?」
「チッ。はぁ……」
あたしは女子に呼び出され、サイズを測られていた。
「!!うっそ天野くんてばあたしよりもウエスト細いんだけど!」
「マジで!?」
「……」
女子の食い付きハンパねぇ。
ウエストとかどうでもいいだろっ!
さっさと仕事しろや!
ギロッ
「ヒッ……!は、早く済ませるからちょっと待っててね」
女子はビクビクしながらあたしのサイズを次々と測っていった。
測り終わると、あたしにペコッとお辞儀してあたしから離れた。
……。
んー、測ってくれたから、一応お礼した方がいいかな?
そう思い、あたしはさっきの女子を引き止め、
「えっと………………ありがとな…………」
お礼を言った。
すると女子は顔を真っ赤にし、い、いえこちらこそっ!!といって、走っていってしまった。
「……俺、何かした…?」
首を傾げる。
「十分してたよ」
「うわぁ!あ、あっくんか……ビックリさせんなよ…」
いつの間にか後ろにいたあっくんに心臓がドキドキしている。
「わざとやったんじゃないんだけど…ま、桃だしいいか」