女装男子VS男装女子。



ぼーっとしていると、いつの間にか授業が始まっていた。

考えても考えても、結局しっくりくる答えは見つからなかった。

はあ……とため息をつくと、

先生に当てられた。

前に出てサラサラと答えを書いていく。

「……正解だ。席に戻っていいぞ。だけどな、授業はちゃんと聞いとけよ?わかったか?」

「……覚えとくよ。…………クソジジイ……ボソッ」

「何か言ったか?」

「べつに何も」

手についたチョークの粉を払いながら、席に戻る。

今の時間は秋田(数学の先生)だってこと、思いっきし忘れてた。

チッ……

コッソリと秋田にバレないように舌打ちをする(バレたらめんどくさいから)。

そして、秋田の授業を受けながら、あたしはまた蓮のことを考えていた。
秋田に当てられないように細心の注意を払いながら。

結局、また答えなんて見つからなかったのだけれど。


……自分の気持ちがわからないなんて、初めてだよ。
こんなこと、今までに一度もなかったのに。

なんでだろ?

どうしてこんなにドキドキするのかなーーー……

よくわからない。だけど。
嫌な感情じゃないことだけは確かなんだ。




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