女装男子VS男装女子。
恋を知った男装少女
と、蓮への恋心に気づいたのはいいものの。
正直、何をすればいいのか分からない。
「……はあ」
人を好きになったのなんて初めてだから、何すればいいのかなんて分かるわけない。
昨日、蓮が好きって気づいたあたしだけれど。
これといってなんの変化も見られないし。
結局、恋してなんになったんだろう。
あたしがあんなに悩んだ努力はどこに……?
「……はあ」
さっきからため息しか出てこない。
「…どうしたの」
「なんでもないよ」
あっくんが隣の席から覗き込む。
あたしはそれを軽くあしらい、机に突っ伏した。
あー…疲れる。
「桃……神宮のことで悩んでるの?」
ぎくり。
「…なんでわかんの?」
「桃のことだもん。わかるに決まってるでしょ。で、どうしたの? 神宮のこと、好きになっちゃった……?」
あっくんは切なそうな顔であたしを見つめた。
なんで、そんな顔してるの…?
あっくんの顔に、ズキンと胸が痛む。
……ていうか、なんであっくん分かるわけ!?
「な、ななななんで!?どーして?!」
「とりあえず、場所変えようか」
そう言って、席を立つあっくん。
あたしはそれにおとなしくついていく。