女装男子VS男装女子。
「オレはバカじゃねえ。ま、大声出したのは悪かったな」

「……あっくんどうしよう。蓮が素直に謝ってるよ?明日、いったい何が起こるんだろう……」

「きっと、明日地球が滅びるんだよ。じゃなきゃ蓮が素直に謝るなんてあり得ないし……」

ひそひそとあっくんと明日がどうなるのかを話す。

「……お前ら……オレが素直に謝るのがそんなに珍しいか……?」

目尻をひくつかせながら、蓮が聞いてくる。
そんな蓮にあたしとあっくんは、


「「うん、珍しい」」


と二人で全く同じことを言った。


それを見て蓮がため息をついたのは、言うまでもない。


「あぁ……明日からどうしよう」

「んー、もう女として来ちゃえば?」

「無理だよあっくん!だってあたし男子寮に住めなくなっちゃう…」

「今さら男子寮に戻ったって、襲われるだけだよ、桃」

うーん、とあっくんと二人で悩む。

「……じゃあ、オレん家くる?」

「え。やだ」

「なんでだよ!」

だって。

好きな人の家なんかに恥ずかしくて行けるわけがない。

蓮の家に行くくらいなら、

「あっくんの部屋に泊めてもらう」

あっくんがいいならだけど、と付け足す。

「僕は別にいいよ」

「よし、じゃあ決まり」

「決まりじゃねぇよ!一人でオレん家来んのがイヤなら、五十嵐も来い。それなら問題ねぇだろ」

……あたし一人じゃないなら…いいかな?

あっくんもいるし、きっと大丈夫だろう。
何が大丈夫なのかよくわかんないけど。

「それならいいよ」

「じゃあ今から車呼ぶから、外行くぞ」

「わかった」

そう言って、あたしたちは警戒しながら外に向かった。

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