女装男子VS男装女子。
それを言うときは、あたしが蓮の彼女にしてもられた時ね?

いつになるかわからないけれど。




「蓮様、家に到着致しました」

運転手さんが、さきに車から降りて蓮の座る席のドアを開ける。

「お、着いたか。天野、さきに言っておくが、この前みたいに逃げんなよ?」

「はぁ……わかってるって。しつこい男だな蓮は」

蓮と無駄口を叩きながら、車から降りる。

あっくんもあたしの後に続き、車から降りた。


「よし、みんな車から出たな。じゃ、行くぞ」


あっくんが降りたのを確認すると、蓮はさっそく家へと歩き始めた。



「ここが、天野の使う部屋な。そして、その右隣が五十嵐。天野の左隣がオレの部屋だから、なんか困ったことがあればいつでも来いよ」

「わかった」

「じゃ、部屋は好きに使ってくれて構わねーから」

蓮はガチャリと自分の部屋のドアを開けると、中に入っていった。

「桃、僕たちも入ろうか」

「そだね」

そう言ってあたしたちも部屋に入った。



「……う、わあ」


すっげー。


部屋にはいってみて出てきた言葉がコレ。

てか、これしか出てこないと思う。


なにこの高そうな家具の数々。
怖いわぁー。


部屋の入り口で立ち止まったまま、部屋の中をぐるりと見回す。


そして、ベッドを見つけたあたしは、
躊躇いなく飛び込んだ。

……超ふかふか。

なにこれヤバい。


しばらくベッドを堪能し、今日あったことを思い返した。


明日から、男装しなくてよくなるのか……


普通の女の子に戻れるんだ。

嬉しいけど……


めんどくさい。


絶対みんなに質問攻めにされるし。


あーぁ、寮とかもどうなるのかなー。

もしかしたら学校も辞めさせられちゃうんじゃない?

男装バレちゃったし。




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