女装男子VS男装女子。
「なんで天野くんの席に女の子が座ってるの?」

「どうして?」

教室中があたしのことでざわめく。


うっさいな。どーでもいいじゃん、そんなこと!

まあ、見ず知らずの女がクラスメイトの席に座ってたら、誰でも気になるか。


でもさ、他のクラスの人とか来る必要なくない?
なに見に来てんのさ。


むすーっ、と仏頂面をしていると、担任の眼鏡が入ってきた。

「おぉ天野。元の姿に戻ったのか」

「なんでテメエがあたしの本当の姿知ってんだよ。気持ちワリィなクソ眼鏡」

睨み付けながら疑問に思ったことを尋ねる。

「あぁそのことか。学校の先生たちはみんな知ってるぞ?お前が男装してたこと」

「はあ!?」

「理事長が言ってたぞ」

あんのクソハゲがっ……!
何勝手に言いふらしてんだよ!

「理事長がバレないようにしろって言ったんだぞ!?」

「先生以外にはバレてなかったから安心しろ」

「できるかあぁぁ!あたし頑張ってたのに!あたしの努力返せよコノヤローー!!」

大声で思わず叫ぶ。

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