女装男子VS男装女子。
しばらくあたしは、誰もいない屋上で泣き続けた。
目の腫れが引いた頃に教室に戻ると、あっくんが近寄って来た。
「なに?あっくんどうしたの?」
「…………桃、泣いたでしょ」
じーっとあっくんに見つめられる。
「そ、そんなわけないでしょ」
焦ってあっくんから目を反らすと、あっくんはぐいっとあたしの顔を掴んで、
「嘘。だって目が腫れてるもん。……また、神宮のことで泣いてたの?」
「……違う」
てか、今あっくん……『また』って言った?
なんで?
「あっくん今……」
「言ったよ。だって、僕見てたから」
「!??!」
驚きのあまり声が出ない。
見てたって……
「あっくん、ずっとあそこにいたわけ!?」
「ずっとじゃないよ。桃の告白が終わってから」
なんで告白って知ってるの!
「だって、屋上ってベタじゃない」
「そう言われると、なんとも言えない……」
漫画とかでも、告白って言ったら屋上とか中庭だし……
それよりも、あっくんに泣いてるの見られて立ってことの方がショックだけど。
誰もいないと思ってたから泣いたのに。
ああぁぁー!
その場にしゃがみこみ、項垂れる。
桃、一生の不覚……
「……蓮には、言わないでね?」
「わかってるよそれくらい。大丈夫僕は何もしないから」
ニコッとあっくんが笑った。
「ありがと……」
「…………うん」