女装男子VS男装女子。
今日もまた天野は告白されたようだった。
クラスの奴らが噂をしているのを耳に挟んだ。
告白の返事はNO。
天野はまたフッたらしかった。
……天野は好きな奴がいるらしいからな……
それがオレじゃないことが、どれだけ悔しいか。
まあ、天野がそいつとくっつくまで諦める気はねぇけど。
オレだって本気なんだ。
簡単に他の奴に取られるわけにはいかねー。
あー、天野に会いてぇ……
天野を恋しく思っていると、なにやら教室の入り口の方が騒がしかった。
……なんだ?
誰かが来たらしい。
しかもイケメン。
女子がキャーキャー騒いでいるから分かった。
「……神宮、いる?」
低いのに、透き通るようなキレイな声が聞こえる。
オレを呼んでるらしい。
クラスメイトが一斉にオレの方を向いた。