女装男子VS男装女子。
女装男子VS男装女子。
あたしたちはふたり共、離れる気配がなかった。
……でも。
いい加減、このままくっついてるのは恥ずかしい。
蓮から離れようと動いていると、
「天野~?なに勝手に離れようとしてるのかなあ?」
上からものすごい意地悪な声が聞こえてきた。
……ん?上から?
バッと顔を上げると、あたしよりも5㎝ほど高い位置にいる蓮の顔があった。
「……蓮、身長伸びたんだね」
「当たり前。オレは男だからな」
ニカッと笑う蓮。
嬉しそう……良かったね、蓮。
……で・も。
「そろそろ離してくれないかなぁ?なんて」
「離すわけねぇだろ」
恥ずかしいんだってば!
じたばたと蓮の腕の中で暴れる。
蓮の腕の力が、いっそう強まった。
「んで。結局ゲームはオレが勝ったってことでいいんだよな?」
「うん……そうだけど、なに?」
「じゃあゲームに勝ったオレに、ご褒美くれよ……桃」
ボッ!!
「い、いま桃って……!!」
目を白黒させているあたしをお構い無しに、蓮は顔を近づけてきて……
チュッ
あたしの唇に、蓮の唇を押し付けてきた。
「なっ……!?」
「いいだろ、これくらい。オレにご褒美だよ。しかも、五十嵐だってお前の頬っぺにしただろうが」
なんで知ってんの!?!?
顔を真っ赤に紅潮させるあたしに、蓮は余裕のある笑顔を見せる。