イジワルな彼は不器用王子。
「冬真、学校そろそろ行こ!」
「おう!ん、後ろ乗れ。」
「え、今日チャリ?」
私、重いのに…
「そ!遅刻しそうだから
ほれ、っよっと…」
っわ!
冬真は私を抱っこして私を自転車に座らせた。
「え、冬真座れないよ?
て、てゆうか今
腕おれなかった!?」
私、さっきも言ったけど重いのに…!
「俺は、立ち漕ぎすっから。
んな、腕もろくねーし。
那智さ、ちゃんと飯食ってる?
風船みたいに軽いぞ。
じゃ、出発しんこー」
「お世辞をありがと。」
「や、お世辞じゃなくてガチで。
心配だから今日俺ん家飯食いに来いよ。
おばさん、今日夜勤だろ?」
「あ!ほんとだ忘れてた…
じゃあ、お邪魔させてもらう」
「ん、了解。
てか強制連行。」
…と、自転車で学校までの道のりを
冬真と会話しながら進んで行った。