イジワルな彼は不器用王子。
「…どうしたの?」
と、言ってから後悔した。
冬真の表情が
辛そうだったから。
最近、毎日辛そうにしてる時間があるよ?
私、冬真の事見てるから知ってる。
「な、ち…」
そう言った冬真は私にキスをした。
とっても、冷たいキス。
付き合う前のキス。
焦ってるよ?余裕ないよ?
私のせい?
そう言えたらどんなに楽だろう。
答えを聞くのが怖いから。
全部私のせいって言われたら
怖いから。
だから、今のキスをうけとめるんだ。
これ以上、君に悲しい顔をさせないように。
でも、今日聞くことにした。
冬真の家に行ったときに。
どんな答えが返ってくるかわからない。
でも、私はずっと好き。
その事を決心して、キスがおわり
学校が終わるまでを平凡に過ごした。