花の音色〜チョコの香りをいつかまた〜
さくっ
「お、おいひいれふっ!」
ポッキーを口にしたサクラは恥ずかしさなどどこへやら。
はわはわと両手を頬にあて、美味しさに浸っていた。
単純な味なのに、ポキッと折れる小気味いい食感がなんとも言えず飽きが来ない。
「よかった。もっと食べていいんですよ」
優しい樹の申し出にサクラは口をもぐもぐとさせながら考えこむ。
(これ以上お断りすると、樹さんに失礼ですし、私も食べた、……ごほん。
とりあえず、樹さんも食べるためには……)