花の音色〜チョコの香りをいつかまた〜




「では、樹さんは反対側から食べて下さい!
どうせ私は八センチの身長でたいした量は必要としませんので」

「え、それって、むぐぅ」


返事も聞かず、えいっとサクラは樹の口にポッキーを差しこんだ。


あまりの事態に固まってしまった彼を置いて、ポッキーはサクラによってどんどん短くなっていく。


(こ、これって最後には口と口が……!)


思わず止める呼吸。

広がるチョコレートの香り。

近づくサクラの顔。


「……っ!」





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