花の音色〜チョコの香りをいつかまた〜
ふぅ、とようやく落ち着いたふたりはくすっと笑い合う。
「ねぇ、樹さん、ポッキーというお菓子は美味しかったですね」
「はい」
そうだ! と手を叩き、ふんわりとサクラは笑う。
「いつか、みんなでお茶をしましょう。
シロナちゃんやミッちゃんと。
恵さんも仕方がないのでまぜてあげます」
「サクラさん、本当に恵さんと仲よくないのですね」
当然ですっ! とサクラにしては珍しく声を荒げる。
(とうとうあの街を出る時にも教えてくれなかったけど、一体彼女は何を言ったのかな)
「別、に、……嫌いではないです、けど」
「知ってますよ」