君が嘘をついた理由。

「帰ってきたら ただいま ですよ?」

あぁ。おかしいって。私がおかえりって言ったからか。


いつも通り、穏やかな優太。

・・・やっぱり、気づいてないんだ。

そっか。よかった。・・・ん?よかった?

「るな?」


「ん、あ、陽太も、お仕事から帰ってきたから・・・」


「あぁ。それでお帰り・・・。はい、ただいま」


にっこり笑う陽太に、自然とほほえんでしまう。

あぁ、ここは、本当にあったかい。


「家空けてすみませんでした。もうすぐご飯できますから」




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