君が嘘をついた理由。
もみあう腕をつかむようにして止めようとするのは、女の先生。・・・どう考えても止められないだろう。体格が違いすぎる。
周りもそれが分かっているのか、黙って見つめている。
「止めなさいって!」
「誰か止めなさいよ」
理香も、呆れたように野次馬の男子生徒を見つめながら言う。喧嘩してる生徒も、頭に血が上ってしまっているからか、先生がいないものかのように喧嘩を続けていて。
どうするんだ、と思っていれば、大きな声と、不釣り合いなキャーという声。人の壁をかき分けるように近づいて行く人。