君が嘘をついた理由。

「骨折・・・」

困ったように笑う陽太。

「しばらく困るかな。利き手だし」
痛々しい。痛い、よね。


「ごめんね、遅くなって」


それなのに陽太は、謝る。


帰りが遅くなったことなんて、気にしなくていいのに。

「ううん、大丈夫。・・・食べれる?」

あの一瞬で、骨、折れちゃったんだ・・・。


骨折とは思わなかったけど、 

手が痛いだろうとスプーンで食べれるチャーハンにしてたのは正解だった。


手を洗って座った陽太の前に、料理をおく。





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