君が嘘をついた理由。
どのような意味で受け取ったのか分からないけれど、重たそうな鞄を肩にかけて、振り返る陽太。
「・・・気をつけてね」
これから先。無茶しないでね。きついときは休んで。
大変だったら、誰かに手伝ってもらって。助けてもらって。
――頑張って。
「うん」
にっこり笑う陽太に笑いながら手をふる。
ばいばい。いままで、ありがとう。早川先生。
いつも通りドアの向こうに出て行ったその背中。
多分、もう、あなたと話すことさえない。