君が嘘をついた理由。

全部言わなくても分かってもらえるかなぁ。察して欲しい。そんな思いで先生を見るけど、冷たい目で見返されただけだった。

「夢を壊すのはちょっと・・・と、」


「お前は馬鹿か。ピュアか」


「は・・・?」

「どっちにしろそんなアホなこと信じるなバカ。おかしいことくらい気付けよ」

そんなバカ扱いしなくても。ふ、と鼻で笑われて呆れた顔をする佐田先生。


「私もっ、最初はちょっと、いやかなりおかしいなと思いましたよ!?でもっ、先生見てたらうそ付いてるようには見えなくて・・・」

最初はナンパかと思った。


変なことを言う人だなって。

おかしい、危ない人だって。だけど、嘘をついてるように見えなくて。



本当に、信じてるようにしか見れなくて。






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