君が嘘をついた理由。

あのなぁ、と机に手を置いて。


「俺はタクシーじゃないから。行き帰りはしょうがないけど、どうして昼休みまで削らなきゃいけないんだよ」


ちょっと手首怪我したくらいで・・・と。骨折してるからちょっとじゃないんですけどね。


かなり反論したいんですけどね。言いたいけど、言ったら何倍にもなって帰ってきそうで怖いので言わずに飲み込む。


「・・・センセ、」



「忘れ物取ったなら早く行け。教室閉めるぞ」

一瞬で先生に戻ってしまった。これはもう、行けってことですか…?


今こうしている間にも、

陽太は昼休みを潰してまで私のお母さんのお見舞いに行ってくれていて。






< 264 / 312 >

この作品をシェア

pagetop