君が嘘をついた理由。


ぽん、ぽんと横から背中を撫でてくれる陽太。しばらく黙ったまま、ちょっとだけ落ち着いた私は陽太の方へと向いた。

陽太はどこか遠くを眺めていて。


私が体を動かしたのに気付いて、

ゆっくりと私の方を向いてくれた。


「…勝手に出て行ってごめんなさい」

「うん。…ちゃんと食べてますか?」

「うん」

「そっか。良かった」


…それだけ?


にっこりと笑う陽太に、私の顔は歪んでいくのが自分でもわかる。






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