君が嘘をついた理由。
涙はじんわり出てくるけれど、胸が苦しいからうまく笑えないけれど、頑張って笑おうとすれば、陽太も笑ってくれて。
「うん。僕もありがとう」
何倍も何倍も優しい顔で返してくれるから。思わず。
「好き……」
溢れた感情をそのまま陽太に告げてしまった。
まっすぐ陽太を見つめると、一瞬目を見開いて。
あ、びっくりしたんだ。
そう思った瞬間、陽太は眉をひそめた。
「………」
「………」
お互い、視線を合わせたまま黙る。いや、私は、何も言えないだけだったのだけど。
「……あぁ!!」
「っ!?」