君が嘘をついた理由。
「えっと…サボっちゃった…?」
確実にもう昼休みは終わっているだろう。
今から急いで帰ったとしても、間に合わないと思うし。
だけど、陽太はあぁ…と俯いて、
再び顔を上げる。
「急いで帰ろう」
「へ、」
「このままここにいたら、次の授業も出られなくなる。ただでさえるなはしばらく休んでたのに…」
「あの、よう―――」
「とにかくるな、立って。バスくるから」
え、ちょっと待って。
さっきまでの空気はどこに行ったのだろう。
ベンチを立ち上がった陽太は、そのままバス停の方へと歩いていく。