君が嘘をついた理由。
普段教科書を読んでいてもあまり身につかないことが、
彼が話すことで
すっと知識として入ってくるような気がして。
穏やかに話す空気が、好きだな、と。歴史じゃなくても、雑学でも。
私の知らない話をこんな風に聞きたいなって。
ぽつり、言った私に、
早川さんは本当?とまたうれしそうな顔になる。
「何がいいかな・・・考えとくね」
へらっと向けられた笑顔に、頷いて、また下を向く。
そろそろ冷めたかな。