君が嘘をついた理由。
持ったコップは相変わらず熱かったけれど、ゆっくりとコップに口を近づける。まだ少し熱くて、ミルクが唇に触れた瞬間びくってなってしまったけれど。
飲めない温度ではなかったのでそのまま口に含む。
ミルクの味と、口の中には甘い……、
「はちみつをね、少し多めに入れたんです。甘いでしょ?」
このちょっと甘い匂いと味。
はちみつかぁ。
こくり、とコップに口を付けたまま頷けば、笑ったのが聞こえた。