君が嘘をついた理由。
ふっと気が付けば辺りは真っ暗だった。
ぼんやりとした中、
瞬きを数回繰り返していると、顔の周りにふわふわの感触。
手をついて。上半身を起き上がらせれば、
今自分がいるのは
ベットの上だということは分かった。
するりと薄手のタオルケットが体から滑り落ちる。
私……寝てたんだ。
意識を飛ばす前、部屋を観察していた時に把握していた
時計の方向へを視線を向ければ、
真っ暗でも見えるようにわずかに文字盤の数字の部分と針が明るいそれは
3時すぎを指していた。
真夜中だ。
確か、お風呂に入るかと聞かれた私は、
早川さんに先に入るように言ったのだ。