君が嘘をついた理由。


ベットで寝ていいよ、

私が下で寝るから、と起こそうかと思ったけれど、


拒否されるだろうとすぐに自分の中で案は却下された。


それに、熟睡している。起こすのも気が引ける。


ごめんなさい。心の中で謝り、もう一度体を倒した。


いつの間にかクーラーは消えていて、


窓から入ってくる人工的ではない風が体を撫でる。


天井を見上げて、

そのまま少しだけ視線を動かせば


風によって揺れたカーテンの隙間から

ちょうど通った車のライトが映った。




< 46 / 312 >

この作品をシェア

pagetop