君が嘘をついた理由。
教室で授業をしていた陽太の姿が浮かんだ。……そして、当たり前のように授業を受けている同級生も。少し前まで私もあんな風に授業を受けていたのだ。
授業が嫌いだと思ったことはないけれど、
今は不思議と全く勉強したいと思わない。これが不登校になっていく一歩なのかな…と思うと変な気分。
ーーーーーーーー横になって、どれくらい経っただろうか。
目を瞑って、陽太の気配は感じながら微睡んでいた時。
完全に意識を手放す前に、
髪に触れられる感触がしてゆっくりと目を開けた。撫でるように頭に置かれた手。
気が付けば、ベットに淵に腰かけた陽太いた。……起こしているつもりなのかな。
前髪で目がうっすらと隠れてしまっているからか、
私が起きていることに気付いていないみたいだ。