君が嘘をついた理由。
寝起きの私に優しいトーンで、
移動し、机の前に座る。
「・・・起こしてくれても良かったのに」
昨日からそうだ。陽太は起こそうとせず、自然と目が覚めるのを待ってくれる。
起こしてくれればいいのに。
陽太の反対側に座ってから口を開けば、寝起きの低めの声が出てきた。陽太はそれを聞いて苦笑する。
「あまりにも気持ちよさそうに寝ていたので」
ごめんね、と謝られて、こっちも申し訳なくなった。
謝る必要ないのに。や、今の言い方は寝起きの声だったこともあってきつかったかもしれない。それなのに。
・・・優しいなぁ。