極上の他人
私達の会話を聞きつけて、同期たちも集まってきた。
「ふみちゃんを大切にしている男前の話。言っておくけど、その辺のモデルよりも格好いいからね。大人の魅力ダダ漏れだし」
「艶がそこまで絶賛するなんて珍しいな、恋愛よりもおいしい酒の方がいいって言ってるくせに」
私の背後に集まってきた男性陣の呆れた声。
確かに、恋より酒だと言ってる艶ちゃんが輝さんを褒めちぎる様子には違和感を覚える。
「あ、誤解しないでよ。別にあの店長を好きなわけじゃないし。でもさ、おいしいお酒を飲みながら、色香溢れる見た目も麗しい男性を眺める時間なんて極上だもん。それだけ」
「それだけって、艶も男に興味あったんだな。どんなに男が言い寄ってきてもぶった切ってるし、もしかして男には興味ないかと……」
同期の男性の言葉に艶ちゃんは睨みを利かせ、続く言葉を凍らせた。
「あのねえ。別に恋愛だけが全てだって思ってないだけ。今は仕事しなきゃなんないし、特に手に入れたいって思う男がいないだけ。本気でものにしたい男が現れたら自分から動くし本気出す。どうぞご心配なく」
大きく息を吐いて私達を見回した艶ちゃんは、気持ちを切り替えるように笑顔を作った。
「じゃ、頑張る私たちにご褒美。飲みに行くからね」
その言葉に反論する間もなく、私達同期と先輩数人で飲みに行くこととなった。