極上の他人
「だろ?輝さんが昨日から下ごしらえしていた力作なんだから、それ食べて、輝さんの言う事を聞いていた方がいいよ。
輝さんはただでさえ忙しいんだから、な」
「うん……」
ベーコンの味がうまく染み渡っているスープと、キャベツがとろとろになっているロールキャベツをゆっくりと食べながら、自分の今の状況にため息をついた。
夕食、遠慮したはずなのにな。
けれど、それを許してくれない輝さんの真意がわからなくて、黙々と食べる。
温かくておいしいロールキャベツに込められた輝さんの優しさを感じながら。