極上の他人


誰か、私にもここで告白してくれないかな。

と不意に思った途端目に浮かぶのはただ一人の顔。

何を考えているのかも、私を本当に好きなのかもわからない男前の顔だ。

今朝も平然と私を会社まで車で送って、これまた普通に「じゃ頑張って」と手を振って帰って行った人。

「輝さん……」

心の中で呟いただけの言葉だけど、思わず口にしていたようで。

気付けば艶ちゃんも水川さんも私をじっと見ていた。

「あ、あ、なんでもないんです」

慌てて両手を目の前で横に振るけれど、艶ちゃんも水川さんも無言の笑顔を浮かべながら肩を揺らしている。

「輝さんね……。ま、そのうちここに連れて来て、告白してもらえばいいよ」

「そ、そんなんじゃないから」

「まあまあ、焦るふみちゃんもかわいいね。写真に撮って輝さんに送りたくなるよ。ちょうど今朝メールもらったばかりだし」

「……え?メール?」

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