極上の他人
確かに年齢も離れているし、自分のお店を経営している大人の男性から見れば、私なんてまだまだ子供の『女の子』なんだろう。
そんなことわかっているけれど、落ち込む気持ちは否定できなくて、辛さに耐えながら食べたカレーの熱さが一気に冷めていくようだ。
「じゃ、これをちゃんと食べて、明日からも仕事頑張れよ」
そう言って差し出された紙袋を受け取った。
紙袋に入っている幾つかのお惣菜の温かさは、そのまま輝さん自身の温かさのような気がして心が揺れた。