極上の他人
リビングからちらちらと見つつ、私もソファに腰掛けてほっと一息。
ベージュで揃えられた室内は、温かく優しい雰囲気が漂う。
亜実さんいわく、リビングだけは広くしたかった、というだけあって、20畳ほどの部屋はとても広々としている。
テーブルに広げられた読みかけの雑誌や、葉乃ちゃんが描いたに違いない絵。
バイク好きだという旦那様が作っているらしい模型。
日々の笑顔が感じられるあれこれに、口元が緩んでしまう。
「あ、四葉のクローバーだ」
そっと手に取った落書き帳に描かれているのは、紙いっぱいに描かれている四葉のクローバー。
クレヨンを使って、かなり力強く描かれている。
葉っぱには、テントウムシも乗っていて、なかなか細かい。
「葉乃ちゃん、絵が上手だな。きっと、両親からの遺伝だな」
ふふっと笑いながら、テーブルの上を何気なく片づけていると、カサッという音がして、視線を向けた。