極上の他人

しばらく亜実さんの表情を伺っていると、心配する私を気遣うように笑顔を向けてくれた。

それは、いつもの亜実さんで、いたずら気味に上がっている口角は、私の気持ちをほっとさせるものだった。

亜実さんがちらりと浮かべた物憂げな表情は、特に気にすることもないのかな。

多分、大丈夫……だろう。

私も亜実さんにつられるように笑っていると、亜実さんは、ふとその場の雰囲気を変えるように勢いよく両手を合わせた。

パチンと小気味のいい音がその場に響く。

「明日のコンパは、これまでのコンパで人気の高かった男前ばかりを厳選したコンパなのよ」

どうだどうだ、と私を見つめる亜実さん。

男前ばかりを厳選って、亜実さんは一体……。

あまりにもあっけらかんと笑っている亜実さんに苦笑し小さく息をついた私に更に亜実さんは言葉を続ける。

「男前だとはいっても、中身もちゃんとリサーチして、評判のいい男の子ばかりだから安心してね。もちろん、みんな恋人もいないフリーの男の子だけ。
それに、千早くんも来るから、人見知りがちなふみちゃんも気楽においで」