極上の他人
どんなに厳しい言葉を投げても、そして投げられても、芯の部分ではお互いを信じ、大切に思っているのがわかる三人の今の様子に、やるせなくなる。
再婚相手の娘だというのに、実の娘よりも大切に思っていると隠そうともしないお母さん。
私をいらない子だと言い切った言葉に嘘はないと、わかっていたつもりなのにわかっていなかったと痛感する。
そして、真奈香ちゃんを交えた三人の輪の中に、誰も入れないと見せつけられた。
「輝さん、帰りたい」
温かい輝さんの胸の中にぎゅっと顔をうずめて、涙をこらえながらそう呟いた。
どうして私がこの場に連れてこられたのかはわからないけれど、これ以上ここにいたくない。
私が生まれたことは、お母さんの人生を狂わせたこと。
その事実に苦しみ、おろせない責め苦を背負いながら生きることに、疲れてしまった。
お母さんも、真奈香ちゃんも、もう、どうでもいい。