極上の他人
「真奈香ちゃんのこと、これ以上責めないで。私は……ちゃんと幸せだから、もう、お母さんのことで悩まないようにするし。それに、いつか私の事を認めてくれるなんていう期待もしない……。
えっと、輝さんが私の側にいてくれるんでしょそれだけで私は幸せだから、誰のことも責めないで欲しい」
私は輝さんの胸にしがみつき、必死でそう言った。
真奈香ちゃんが私のことを気遣ってお母さんと会う機会を作ってくれたことに悪意があったとは思えない。
きっと、私への申し訳なさで胸を痛めて悩み続けていたに違いない。
そうでなければ、わざわざ輝さんを通じてまで呼び出すなんてこと、しないはずだから。
「輝さん、言ってくれたでしょ?お母さんに育ててもらえなくても私は今幸せだって。確かにその通りだもん。それに、極上の他人に愛されて、私は守られていくんでしょ?」
「……ああ。愛されて守られて、幸せになるんだ」