極上の他人


そのおかげで、少しずつ心を解放し、両親への未練や期待を手放した。

そんな重荷を手放した私は、本来の強い自分を取り戻したのだ。

輝さんに頼るばかりではなく、自分の意志と力で幸せな未来を引き寄せることができる自分。

そして今、輝さんを私のものにするための、大きな夢を持っている。

池を照らす夕日が勇気を与えてくれる展示場で、輝さんにプロポーズするという夢だ。

あの場所で想いを告げれば幸せになれると聞いてからずっと、その夢を叶えたいと願いながら仕事を頑張っている。

これまで輝さんに頼ってばかりだった自分に区切りをつけ、強くて地に足がついた自分に作り替えて、そして。

『私と結婚してください』

そう言って輝さんを驚かせるんだ。

< 394 / 460 >

この作品をシェア

pagetop