極上の他人
その様子がなんだか可愛らしくて、思わず抱きつきそうになる。
けれど、ここはまさに会社の前。
会社の人に見られたりしたら、恥ずかしくて仕事どころじゃなくなってしまう。
冷静になり、抱きつきたい気持ちを抑えて輝さんに声をかけた。
「輝さんの前でしかコスプレなんてしないし、千早くんとお店に行った時も試着はしてないから安心して」
「当然だろ」
即座に頭を上げて私を睨みつけると、輝さんの手がの頭を引き寄せた。
「ひ、ひかるさんっ……」
「俺を驚かせるなんて、100万年早い」
慌てる私に構うことなく、輝さんはキスを落としてくる。