極上の他人
一人暮らしをしていて、寝込んでしまうことほど心細いものはない。
とりあえず数日分の食材や飲み物を買って、マンションへと戻る。
病人なのに重い荷物を持ってよろよろと歩いている自分を客観的に考えると、ひどく切ない。
頼る人が誰もいないと実感して、さらに熱も上がりそうだ。
とはいっても、小さな頃から一人でいることが多かった私。
もちろん病気で寝込んだ時もその例外ではなかったせいか、この状況にも慣れていると言えば慣れている。
けれど、そんな時に段取りよく動けることと、切なさを感じなくなるというのは全く別のもので、大人になった今でもやっぱり、切ないものは切ない。
自分は一人だなと実感して、足取りも重い。
いつもなら10分程度の距離を倍以上の時間をかけて部屋に戻り、買ってきたおにぎりを食べた後、お薬を飲んでベッドに潜り込んだ。
病院への往復に体力を奪われたせいか、すぐに眠りにおちた。