まんなかロックオン
私はぎゅう、と拳を握り締めると、今度こそコウと目を合わせた。
…ああ、くらくらする。
もう、無理だ。誤魔化すのも逃げるのも、もう無理だ。
階段の窓から、西日が射す。告白されたときを、思い出した。
…もうずっと、ずっと。
「…私も、好き」
私の瞳は、君しか映してない。
きっと私は、ずっと前から君が好きだった。
コウがかっこいいことなんて、知っていた。みんなが気付くより、ずっと早くに。
西日が射しているなかで、コウの頬の赤みに気付く。…きっとあのとき赤くなっていたと感じたのは、気のせいではない。
「両想いとか、照れるね」
そう言って、コウが笑った。
なんだかおかしくなって、私も笑う。
ずっとバスケ友達だったはずなのに、いつから変わっていったのだろう。