夜闇歌
下向きまつげには
雪が積もっちゃってさ
小型除雪機は
まだ開発されてないらしい

寒さに凍えてみたけど
振り向く人なんていないよ
生気を失った目は
黒いまつげに隠そう

使ったばかりのコンロ
素手で掃除して何くわぬ顔
熱さには強いの。
誉められないことも知ってるわ?

子猫みたいに甘えてみたかった
そんな素敵なスキル
持ち合わせてすらいないのに
どこの誰とも知らないあなたに嫉妬

雪が積もるわ…
冷気で冷えた指を
コンロで暖めましょ?
きっと暖かいわ。

あなたの熱をねだれない
天の邪鬼不愛想
いっそあなたの手が冷えればいい
熱くなったこの手で包んであげる…



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