ふわふわな恋。
「いってきま〜す!」
あたし、柚木愛莉は
今日から華の高校生!!!!
真新しいまっすぐとした制服を着たあたしは、近所迷惑なくらいの大声で家を出た。
外に出れば青く広がった空に
ちらほら舞っているピンク色の桜。
小鳥の鳴き声と共に心地よい風も軽く吹いている。
あたしは家の前で一目もはばからず、おおき〜な伸びをした。
「っあ〜いい天気〜!」
胸に学校のマークがついたベージュ色のブレザーに、赤いリボン。
まぶしいほどの真っ白いワイシャツにひざ上のチェックのスカート。
もともとあまりよくない頭なので
高校は制服で選んだようなもん。
家から電車で5分程度だし、
制服も男女共から人気だった。
けれどあたしの中学からここの高校に行った人は数える程の人数でもない。
仲のいい友達は全員私立に行ってしまったからなぁ〜。
そんなことを思いながら駅に向かう。