秘密の言葉
「花は、何で春が好きなの?」

それは…。
水木君なら、笑わないできいてくれるかな?

「あのね、昔の春に…ある男の子と約束したの。大人になったら、秘密の言葉をいい合おう。って…でも何か子供だよね…」

「ううん…僕も似た理由なんだ。初恋の女の子とある約束したのが春だった」

とても、幸せそうだった。
私は、その初恋の女の子を羨ましく思った。
こんなに思われるって、素敵だな…。

「「その後1度も会ってない。」」

「って、ここでハモるの?」

「あははっ、何かちょっぴり切ないね?」

「…うん」

『でもまあ、元気だしてね?』と、眩しい笑顔を向けてくれた。
胸が、本当に飛び出してしまいそうで…。
水木君…初恋の子、今でも好きなのかな?
私は、いけないかもしれないけど…。
私の待っている人が水木君が良かったと思ってしまった。
逆に、水木君の待っている人が私だったらいいなって。

「それじゃあ、またね?」

「ねえ、やっぱりおかしいよ」

うん、おかしい。
こんなに輝いている人なら、女子はほっとかないと思う。
しかも転校生が気づかれないって。
幽霊とかじゃない限り、そんな事出来るはずが無い。
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