秘密の言葉
結局、迷ってるんだ。
そばにいる水木君を想うか、昔からの約束を守るか。
水木君が、約束の人だったらいいのに…。
でも、そんな奇跡は起こってくれそうに無い。

「あー…うー…」

家に帰っても、勉強なんてできっこない。
今日は水木君と一緒に帰れなかったし。
恵美と水木君がどうなってるかで、すっごく不安。

『恵美って言うんだ、可愛いね』

『ありがとう!私…水木君の事、好き!』

ダメー!
こんな事考えるのはやめよう。
もっと楽しい事…楽しい事…。

『花…』

もう、私気持ち悪いよ…。
何で楽しい事考えると、水木君しか出てこないんだろう?
本当にもう、頭の中水木君でいっぱいなんだ…。
恵美に、電話でもしてみようかな?

…prrrr

「はっ!もしもし!」

『あ、水樹?ごめんね急に電話なんか』

あれ、恵美の声が…低い。

『今から出てこれる?』

「いいよ、どうしたの?」

『急用だから、それじゃ』

ツーツーと、耳元に響いてる。
何か凄く、嫌な予感しかしない…。
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