秘密の言葉

2人の転校生

「…あれ?この子転校生…?」

隣の席に、1人の男の子がいた。
元々、黒板とノートしかみないから気づかなかったのかな?

「今日は転校生来るぞー」

来た!神様ありがとうっ!
やっぱ隣の子がそう…って、あれ?

「皆さんこんにちは。空恵美って言います。お寺の娘なので、お祓いする時は…ぜひ私の家へっ!」

皆に好印象を与えたっぽい。
なんだろう、眩しいな。
…それにしても、隣の彼は誰だろう。

「ねえ…初めまして、かな?名前何て言うの?」

小声でヒソヒソと彼を呼ぶ。

「僕は水木太陽、水に木に太陽だよ。皆に気づかれないように過ごしたいから、しーっね?」

コクコクと頷く私。
なんか、私に似てると思った。
クラスでは空気の様に…って所だけ。
友達1人出来た、ちょっと嬉しいな。

「水樹さん?よろしくね!」

昼休みに起きた奇跡。
転校生に声かけられるなんて…。

「よろしくね、空さん」

「よろしく!恵美とか、適当に呼んで?堅苦しいのはなしでっ」
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